しんせいブログ(2024年度)
しんせいブログ vol.41 地域での活躍の場と活動の形ができてきた・・・。
2025-03-10
これまでにも、当センターがギャンブル依存症回復施設グレイス・ロード岩手サポートセンターを利用している皆さんへの支援や連携を取らせていただいていることをお伝えしてきました。
今回は、地域の少年サッカーチームの卒団式(6年生を送る会)におじゃまさせていただいた時のことを報告します。
なぜ、地域の少年サッカーチームの卒団式におじゃまさせていただいたのかというと、グレイス・ロードの利用者さんをコーチとして受け入れてくれたお礼をしようと思ったからです。
そしてコーチとして頑張ってくれたHさんにも「卒団式にコーチとして参加していただきたい」との連絡もいただき、Hさんもコーチとして卒団式に参加しました。(もう一人の方がコーチとしてお手伝いをしてくれていますが、所用で参加できませんでした)
卒団式のなかの「コーチからの言葉」で、Hさんは自分のこれまでのこと、コーチとして受け入れてくれた監督、コーチ、選手、保護者のみなさんへのお礼、そして卒団する6年生へのエール・・・。
卒団式のなかの「コーチからの言葉」で、Hさんは自分のこれまでのこと、コーチとして受け入れてくれた監督、コーチ、選手、保護者のみなさんへのお礼、そして卒団する6年生へのエール・・・。
卒団式が終わってから知り合いのお父さんからの「Hさんの話、グッときたね」。
知り合いのお父さんが「グッときた」と言うくらいですから、日頃グレイス・ロードさんのお手伝いをさせていただいている私は「グッときた」レベルではありませんでした。
その後、監督とコーチにお礼に行った時にも、Hさんのコーチぶりを評価していただき「これからもぜひお願いします」と言われている様子を見てさらにググググッときました 。
今回お伝えした少年サッカーチームのほかにも、グレイス・ロードの利用者のみなさんは、学習支援や子ども食堂など、地域のいろいろなところで活躍してくれています。
利用者のみなさんは、いつでもどこでも一生懸命取り組んでくれています。
そして、地域のみなさんはグレイス・ロードの利用者の皆さんを受け入れて、活躍の場を提供してくださっています。
東北グレイス・ロード岩手サポートセンターが開設してもうすぐ1年を迎えます。
間違いなく、地域での活躍の場と活動の形ができてきていると思います。

しんせいブログ vol.40 講演会を終えて
2025-03-03
3月2日(日)に行われた松嶺貴幸さんの講演会には、50名を超える皆さんにご参加いただき行うことができました。
松嶺さんには、講演会のスタートから軽快なトークをしていただきました。
講演会の内容は、「現在のアーティスト活動」「幼少期、事故のお話」「就職活動について」「アメリカでの生活」「日本に戻ってきてから」「質問コーナー」「今後の抱負」について。
それぞれのお話は、当時の写真や動画を見ながら、その時々に思ったこと、考えたことなどについて詳しくお話をしていただきました。
ところどころにユーモアを加えつつお話をしていただきましたが、大けがを負った時の状況と松嶺さんの心情、そして現在の自分の状態を客観的に理解しつつ、どのように仕事をしていくのか、そして生きていくのか、などのお話にはたくさんのことを考えさせられました。
アンケートに書いていただいた内容を一部ご紹介します。
「障がいがある方のことを知ることが福祉の発展につながると思います。このようなトップランナーの講演は、広く知る機会として重要な機会だと思いました。それにしても松嶺さんの生き方、すごかった」。
「今日の講演で、作品に込める松嶺さんの根底にある哲学や思想を知ることができました。大きな事故をされた体験からの死生観、いつ死ぬか分からないから今という時間を全力で生きるという姿勢は、学ぶことが大きいと思いました」。
「抽象的なイメージが強いように感じる『アート』において、質問に対して聞く人に伝わるように話される松嶺さんがとても格好いいと思いました。見る人に寄り添うように、読んでもらえるような作品作りをという松嶺さんの作品を、これからも注目してみていきたいです」。
講演会は終わりましたが、これからも松嶺さんの活動を見続けるとともに、応援させていただきたいと思います。
今回、松嶺さんのお話をお聞きして、改めて思ったことがあります。
松嶺さんを初めとして、障がいがあるご本人、ご家族は、生きていくために日々一生懸命考え、努力されているということ。
個人の頑張りは十分されているのに、それでも解決されない課題はたくさんあるということ。
それは、個人の問題ではなく社会や政治の問題でもあるのではないかということ。
このことを英語で言うと「The personal is political」。

しんせいブログ vol.39 当日来場でも大丈夫です!
2025-02-28
ここまで数回にわたりお伝えしてきた、3月2日の理解啓発講演会についてです。
多くの皆様に申し込みをいただいておりますが、席にまだ余裕があります。
「急に時間ができた」や「近くに来たので」や「やっぱり行ってみようかな」など、急な参加でも大丈夫です。
ぜひ、松嶺貴幸さんのこれまでの人生を、現在のことを、そしてこれからの夢を、多くの皆様に聞いていただきたいと思います。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。

しんせいブログ vol.38 3月2日の講演会を前にして
2025-02-25
NEW
先日、紫波町日詰にある松嶺さんのアトリエにおじゃまして、約1時間ほどお話をおうかがいする機会がありました。
改めて今回の講演会のキーワードを確認することができました。
チラシのサブテーマに「最先端のテクノロジーを活用して・・・」とありますが、本当に伝えたいのは次の二つのことなのではないかと思いました。
一つ目は「16歳の時の事故で車イス生活になった青年が、何にどのように可能性を感じ、何に挑戦し、何を獲得してきているのか」、そしてもう一つが、AI を活用して日々の生活や芸術活動に取り組みAIの便利さと可能性を実感しつつ「AI と人間の共存と、AI と自然の共存について」。
1時間ほど松嶺さんからこれらのお話をおうかがいし、ぜひ多くのみなさんに聞いていただきたいと思いました。
長年、障がい福祉に携わってきましたが、「障がい特性」という枠をはめ、既存の資源の中から「ベターな選択を」と考えて仕事をしてきていたのではないかと思います。
長年、障がい福祉に携わってきましたが、「障がい特性」という枠をはめ、既存の資源の中から「ベターな選択を」と考えて仕事をしてきていたのではないかと思います。
松嶺さんのお話は「その程度の視点、視野では足りない」「枠をはめずに可能性を広げていくことが大切」と、これまでの考え方を変える機会となりました。
ぜひ障がいをお持ちのご本人、ご家族、そして学校の先生方、そして障がい福祉に携わるみなさんに松嶺さんのお話を聞いていただきたいと思います。
そして、松嶺さんとつながっていただきたいと思います。
講演会は3月2日(日)13時30分から、オガールにて。
申し込みは2月28日まで大丈夫です。
申し込みは2月28日まで大丈夫です。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。

しんせいブログ vol.37 「The personal is political」
2025-02-17
「The personal is political」。
日本語にすれば「個人的なことは政治的なこと」。
最近、どはまりして見ている日曜日の夜のドラマの中に出てきた言葉です。
The personal is political(個人的なことは政治的なこと)とは、1960年代以降のアメリカにおける学生運動(ベトナム反戦運動や公民権運動)や第二波フェミニズム運動(女性解放運動)におけるスローガンで、「個人的な経験とそれより大きな社会および政治構造との関係に結びつける」意味合いで使われるとのこと。
個人的に解釈すると、一人ひとりに起こっている課題や悩み、困難さなどを個人レベルだけで考えたり、悩んだりするのではなく、それらの課題や悩み、困難さなど の原因には社会的な問題や政治的な問題があるのではないかとの視点を持つことが大切、ということかなあと思いました。
ソーシャルワークでよく用いられる言葉の一つに、「メゾ・ミクロ・マクロレベル」があります。
ミクロは、個人や家族レベルの視点、ミクロは地域レベルの視点、マクロは制度や国レベルの視点のこと。
そして、これらの視点は関係しあっているという視点。
The personal is political(個人的なことは政治的なこと)と 同じような意味合いを持っている言葉だと思いました。
長野県松本市にある女性センターのニュースレターにThe personal is political(個人的なことは政治的なこと) について以下の事例が書かれてありました。
「遠距恋愛で結婚することになったけれど、仕事を辞めるのは女性である私。彼が辞める選択肢はないの?」
「男性はこのグループに自分ただ一人。それを理由にリーダーを押し付けられた。自分だってリーダーやりたくないよ・・・」
「性被害にあってしまったけれど、自分さえ黙っていればそれで済むと誰にも言わなかった(言えなかった)」
「個人的なことは政治的なこと」(The personal is political )。
日々起こっている様々な個人的な出来事を、狭い視野だけで見たり、解決しようとしたりして、結果的に妥協や諦めるという選択をしてはいないか。
日々の仕事にも通じること、そしてキーワードをドラマから教えてもらいました。
さあ、今度の日曜日が楽しみ。
